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文楽公演

国立小劇場での文楽公演を見に行きました。
「傾城反魂香」 土佐将監閑居の段 
竹本住大夫さんの語りと野澤錦糸さんの三味線が良かった。ツレ三味線もぴったり揃って、まるで一人で弾いているよう!スバラシイ。
「艶容女舞衣」 酒屋の段 
たくさんの人形がそれぞれに役を演じているような不思議な感覚。
「壇浦兜軍記」 阿古屋琴責めの段 
今回の目的はこれ。歌舞伎では 玉三郎の阿古屋が凛として美しかったけれど、文楽では何と愛らしいこと!
今回、琴・三味線・胡弓を弾く鶴澤寛太郎さんから学びました。
お琴を演奏している時に ガタンと音がしたので何かと思いましたが、彼は弾き続けています。と、すっと左手を右の袖に入れ 何かをしました。
弾いている途中でお爪が楽器に引っ掛かり その弾みで音がしてお爪が外れて飛んでしまった模様。
彼は慌てもせず、曲の頃合いを見計らい、ほんの僅かな音の隙間で、替えのお爪をはめたのです。その間僅か2~3秒ではなかったでしょうか。あまりに鮮やかで、お人形を見ていた人は気付かなかったことでしょう。
私は 今まで替え爪は左の袂に入れていました。
左の袖では、右手で取り出し 左手に持ち替え 右手の指にはめる。
右に入れておけば、左で取り出してすぐにはめられる!
ひと手間省け、速やかに演奏が出来るのです。
目から鱗が落ちるようとは 正にこの事!
感激の出来事でした。
もちろん これからは替え爪は右の袂に入れる事にします。
桐竹勘十郎さん操る阿古屋にも唸らされました。
寛太郎さんの奏でる音と、お人形の動きが完璧なまでにシンクロしている。
実に見事でした。
素晴らしい芸に出会えた幸せな4時間でした。

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